世界の名門バレエ団からトップダンサーが集うガラ公演「Ballet Muses -バレエの美神2023-」。2年ぶりの開催となる今年、新進気鋭のスターから世界のプリマまで錚々たる顔ぶれが揃い、豪華競演を繰り広げた。
永久メイ
永久メイがみせたロシアバレエの真髄
今年は世界の名門バレエ団から計11名のスターダンサーが集結。なかでも注目を集めたのが永久メイだ。ロシアの最高峰マリインスキー・バレエの主役に17歳の若さで抜擢され、2021年にはファースト・ソリストに昇格。また今年はバレエ界のアカデミー賞と称されるブノワ賞にノミネートされ、日本でも大きな話題を呼んだ。
永久メイ、フィリップ・スチョーピン
Aプログラムでは、『ロミオとジュリエット』よりパ・ド・ドゥ、『ジゼル』よりパ・ド・ドゥの2作に出演。『ロミオとジュリエット』では恋する少女ジュリエットをしなやかな上体で饒舌にあらわし、磨き抜かれたアラベスクで魅了する。『ジゼル』もまた彼女に似合いの演目で、繊細かつ儚げで透明感が際立つ。パートナーはやはりマリインスキー・バレエ ファースト・ソリストのフィリップ・スチョーピンで、端正な両者の踊りで優美なロシアバレエの真髄を伝えた。
永久メイ、フィリップ・スチョーピン
コジョカル&ムンタギロフの完成された作品世界
急遽参加が決まったアリーナ・コジョカルの登場もバレエファンを歓喜させた。Aプログラムでは『眠りの森の美女』第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥに出演。熟練のプリマとなった今なお、持ち前の可憐な魅力は変わらぬまま。王子に寄り添う姿はどこまでも愛らしく、同時に盤石のテクニックで圧倒的な存在感をみせつける。パートナーは英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルのワディム・ムンタギロフ。ダンスール・ノーブルらしい気品に満ちたサポートで、格式溢れる古典の世界を見事に描き出した。
アリーナ・コジョカル、ワディム・ムンタギロフ
アリーナ・コジョカル、ヤコブ・フェイフェルリック
『マノン』第1幕より寝室のパ・ド・ドゥ(Bプログラムより)
アリーナ・コジョカル、ワディム・ムンタギロフ
贅を尽くしたプログラムで華やかに
チューリッヒ・バレエ ファースト・ソリストの吉山シャール ルイ・アンドレは『PIEL』と『Ghost Light』で得意のコンテンポラリーを披露。『Ghost Light』は2018年に彼のために振付けられた作品で、灯りに照らされ一人踊る姿が切なくも力強い。
『PIEL』 吉山シャール ルイ・アンドレ
そのほかノルウェー国立バレエ プリンシパルのザンダー・パリッシュが踊ったユーモラスな『バレエ101』に、ボリショイ・バレエ プリンシパルのアリョーナ・コワリョーワが凜とした佇まいで制した『瀕死の白鳥』、ミハイロフスキー劇場バレエ プリンシパルのアンジェリーナ・ヴォロンツォーワとファースト・ソリストのエルネスト・ラティポフが強靱なリフトで目を奪った『ドン・キホーテ』よりグラン・パ・ド・ドゥに至るまで、大充実のプログラム。会場は大いに盛り上がり、豪華ガラは華やかに幕を閉じた。
『瀕死の白鳥』 アリョーナ・コワリョーワ
アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ、エルネスト・ラティポフ
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