新春のおススメ展覧会・2 日本美術の奥深さ

アート|2024.1.18
坂本裕子(アートライター)

現在開催中の展覧会から、注目の展覧会をピックアップ。

第2弾は東洋・日本美術篇。
古裂から、今年の干支の龍づくし、ほっこり絵画に、素朴なみほとけまで。大陸の造形に憧れ、展開した日本の美術のルーツとその多様性を楽しみたい。

「繡(ぬい)と織(おり)華麗なる日本染織の世界」 根津美術館

上代から近世まで。「かざる」美として極められた染織の技に酔う

小袖 展示風景から
江戸から明治時代につくられたあでやかな振袖や打掛が最後を飾る

根津美術館のコレクションの礎を築いた初代・根津嘉一郎。豪快で多彩な蒐集は伝説ともなっているが、そこには染織品も含まれる。30年におよぶ蒐集は、法隆寺や正倉院伝来の錦や刺繡裂から、大名家に伝ったとされる唐織や縫箔の能装束、江戸時代の女性を飾った小袖まで、幅広い時代にわたる。
根津美術館では、織と刺繍の優品を軸に、染織コレクションを紹介する展覧会が開催中だ。
染織品に模様をほどこすさまざまな技法のなかでも、織は古代中国で高度な発展を遂げ、日本では格式の高いものとして受容される。刺繍も飛鳥時代には仏の姿を表す繡仏(しゅうぶつ)が制作され、仏教の荘厳手段をはじまりとして重んじられていく。それらは、端切れになっても、「裂」として大切にされ、技術の向上にも貢献してきた。
中世から近世には染の技法が発達、貴族や武家の好みに沿い、織と組み合わせた小袖の優品が多く生み出される。室町期に完成し、隆盛した能楽では、重厚な織を使った豪華な装束が作られた。江戸期に入ると、町人が台頭、豪商たちはときに武家の様式を踏襲し、ときに禁令をかいくぐるように、意匠も仕掛けも製法も凝った染織で浮世を謳歌した。
時代の変遷とともに、それぞれの階層で、それぞれの目的で生み出された多彩な染織品は、作品ごとにどんな技法が使われているかも詳しく解説されているので、みごとな模様に秘められた意味や高い技術を確認でき、染織に詳しい人も、初心者も楽しめる。新年にふさわしい高雅な空間だ。
同時開催の「中国の故事と人物」(展示室5)や「寿茶会―来福を願う―」(展示室6)も、どこかほっこりした空気をたたえて見どころたっぷりなので、併せてお見逃しなく。

上代染織 展示風景から
奈良時代のあざやかな緑の綾地に唐花風の草花文が刺繍された裂からスタート
仏教染織 展示風景から
右:「九条袈裟 紅地花唐草模様黄緞」 日本・桃山時代 17世紀
左:「打敷 紫綸子地菊に菱繁向い鶴模様」 日本・江戸時代 17世紀 ともに根津美術館蔵
経糸(たていと)に絹糸、緯糸(よこいと)に木綿糸を用いて織る黄緞(おうどん)の織物3種で仕立てられた九条袈裟は初公開。大きさとともにみごとな織を楽しんで
能装束 展示風景から
「唐織 金地枝垂桜花車模様」 日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
能装束のなかでもひときわ豪華なものが多いのが唐織。こちらは平金糸を全面に織り込んだ総金地といわれる織。華やかで精緻な文様とともに品格を感じて
能装束 展示風景から
「着付 紅地鱗向い鳥丸模様」 日本・桃山~江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
模様、配色ともに大胆な装束は、表着(うわぎ)の下に隠れるものでありながら、全面が刺繡の凝りぶり。今でもモダンなこちらも初公開作品
展示風景から
左:「残霞帖(上代裂手鑑)」 日本・飛鳥~奈良時代 7~8世紀 根津美術館蔵
右:桃山時代から江戸時代にかけての小袖の「裂」の展示(ともに展示から) 古来、人々は貴重な布の裂を集め、手鑑や色紙状にして残し、楽しみ、参考にしてきた。ほんのわずかな端切れすらも大切にしてきた心を感じたい
小袖 展示風景から
「振袖 綸子地桐鳳凰模様」(3領) 日本・明治時代 19世紀 根津美術館蔵
白・紅・黒の3領は同じ模様を刺繍と鹿子絞(かのこしぼり)で表した三襲(みつがさね)の振袖。三重に着て、順に脱いでお色直しをするらしい。武家の婚礼衣装の様式を、豪商が踏襲して仕立てたと考えられている
左:「寒山拾得図」 芸愛筆 日本・室町時代 15~16世紀 根津美術館蔵 小林中氏寄贈(中国の故事と人物 展示から)
通常は、不気味な姿で描かれることが多い寒山と拾得が丸くなって居眠りしている姿がなんともかわいい
右:「祥瑞蜜柑水指」 中国・明時代 17世紀 根津美術館蔵(寿茶会―来福を願う― 展示から)
精緻な景徳鎮のやきものには、かわいらしいウサギが隠れている。ぜひ会場で探して!

展覧会概要

繡と織 華麗なる日本染織の世界

会場:根津美術館
会期:2023年12月16日(土)~2024年1月28日(日)
時間:10:00–17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日
料金:日時指定予約制
   一般1,300円、学生1,000円、中学生以下無料
   障害者手帳提示者および同伴者(1名)は200円引き
電話:03-3400-2536
公式サイト:https://nezu-muse.or.jp

「ハッピー龍イヤー! ~絵画・工芸の龍を楽しむ~」 静嘉堂文庫@丸の内

まざに「龍」づくし! 静嘉堂文庫の圧倒的な新春空間

ホワイエ ~龍、丸の内でお迎え~ 風景風景
代表作からバナーになった龍が、官窯でつくられた一級品のやきものの周りを悠々と飛翔する

今年の干支は辰。
静嘉堂文庫美術館では、所蔵品から龍をモティーフとした作品を集めた展覧会が開催されている。同館名の由来でもある貴重な古典籍にみられる龍の説明から、清朝の中国陶磁や堆朱の器、高麗や李朝のやきもの、日本発の有田焼に、織物や刺繡、刀装具、さらには屛風や掛軸、茶道具に至るまで、絵画、染織、漆芸、金工、陶磁のあらゆるジャンルに表された龍たちが一堂に会する。そこには今回が初出品の作品も続々登場。
想像上の動物である龍は古代中国で生まれた。水をつかさどり、天を翔け、雨を降らせる神として畏怖され、その力から権力や強さを象徴するアイコンとなり、吉祥の図として東アジアに伝播して、さまざまに描かれ、あしらわれ、象られてきた。
本展では、「龍」のイメージの成り立ちとその姿を、誕生地中国から、日本を含めたアジア各域にいかに広がったのかとともに追う。
精悍で迫力の姿から、剽軽でユニークなたたずまいに、キュートなものまで、名品、希少品、珍品(?)が勢ぞろい。龍がいかに多彩な姿で表され、意味を付され、人々に愛されてきたかがみられるとともに、これだけのクオリティを揃える静嘉堂文庫の底力を改めて実感する。
注目は、各章のタイトルと作品に付されたキャッチコピー。「龍、○○する」で統一された章題は、絵本を開いていくように、龍となってさまざまな美術品のなかを逍遥している気分になる。ユーモアたっぷりながら的確なキャッチは、鑑賞のポイントを楽しく案内してくれる。
オールスター・キャストが寿ぐ2024年の空間で、ドラゴン・パワーのご利益を持ち帰って!

第1章 龍、東アジアを翔ける 展示風景から
左:中国、朝鮮、日本の龍たちの競演のコーナー
右:「鉄砂雲龍文壺」 朝鮮時代(17世紀後半)静嘉堂文庫蔵
壺いっぱいに描かれて存在感は特大ながら、ヘロヘロの雲の表現とともになんとも脱力な龍の姿がたまらない。渋くもどこか親近感のある一作
第2章 龍、中国工芸に降臨す 展示風景から
龍といえば、中国。漆芸からやきもの、染織品まで、逸品揃いの空間
第2章 龍、中国工芸に降臨す 展示風景から
「龍濤堆朱盆 一対」 清時代(18~19世紀)静嘉堂文庫蔵
中国の漆芸の極みは漆を何十層も塗り重ね、その層を彫る堆朱・堆黒だ。細やかな彫りで5爪の龍が表された、ひときわみごとな一作。周囲の唐花草模様もすばらしいので、ぜひ近くで!
第2章 龍、中国工芸に降臨す 展示風景から
左:「紫地龍文錦卓掛」 清時代(19世紀)と「田黄(寿山石) 龍鳳文浮彫」 清時代(18世紀)ともに静嘉堂文庫蔵
右:「紺地龍“寿山福海”模様刺繍帳」 清時代(19世紀)静嘉堂文庫蔵と煎茶道具の展示
染織品は初公開揃い。織や刺繡も状態もみごとな作品は必見だ。右の帳(とばり)は、煎茶席に使用するもの。清朝皇帝の袍(官服)を作り替えた可能性が指摘される
第3章 龍、日本をかけめぐる 展示風景から
右:重要文化財 橋本雅邦 「龍虎図屛風」
左:鈴木松年 「群仙図屛風」 ともに明治28年(1895)静嘉堂文庫蔵
「東の雅邦」と「西の松年」、いずれも第4回内国勧業博覧会に出品された大作が並ぶ空間は大迫力。いずれが龍か虎か。東西とともにまさに龍虎の屛風対決、どちらに軍配を上げる?
第4章 龍、茶道具に入り込む 展示風景から
手前は、伝尾形光琳の「龍虎寿老人図 三幅対」。どこか剽軽な龍虎に挟まれた神さまは七福神のひとり。正月にふさわしい吉祥画だ
第4章 龍、茶道具に入り込む 展示風景から
茶入や茶碗を包む仕覆には、名物裂が用いられることが多い。そこには、細かい龍文がほどこされたものも。金属製の茶釜に刻まれた龍、青磁の耳としてくっついている龍、まさに茶道具に“入り込んだ”龍たちを見つけて!

展覧会概要

ハッピー龍イヤー! ~絵画・工芸の龍を楽しむ~

会場:静嘉堂文庫@丸の内
会期:2024年1月2日(火)~2月3日(土)
時間:10:00–17:00(金曜は18:00まで 入館は閉館の30分前まで)
料金:一般1,500円、大高生1,000円、中学生以下無料
   ★「辰年生まれ」、姓名に「龍・竜・辰・タツ・リュウ」がついている方は
   同伴者含めて200円引き!!(要証明書呈示)
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://www.seikado.or.jp

特別展「癒やしの日本美術 ―ほのぼの若冲・なごみの土牛―」 山種美術館

ほっこり、ふんわり、おだやかに。やさしい気持ちになる空間

第1章 江戸時代の「ゆるかわ」 若冲・芦雪 展示風景から
左:伊藤若冲 《伏見人形図》 1799(寛政11)年 山種美術館蔵
右:長沢芦雪 《七福神図》 18世紀(江戸時代)個人蔵

コロナ禍の影響がいまだ続く日常、不穏な世界情勢に、能登半島地震や飛行機事故など、こころ痛い新春ともなった2024年。ともすれば荒みそうな気持ちを和ませるひとときを提供する展覧会が山種美術館で開催中だ。「癒やし」をテーマに、同館の所蔵品に個人蔵を含む日本画を中心とした60点がセレクトされる。
癒やしのかたちはさまざま。「奇想の系譜」の絵師で、いまや一番人気を誇る伊藤若冲(じゃくちゅう)と、近年注目される長沢芦雪(ろせつ)のゆるくてかわいい造形をはじまりとして、美しい風景、心地よい音、動物に感じるかわいさ、子どもへの愛、家族や親しい友人との時間を取り上げる。
濃厚細密な彩色画で知られる若冲や円山応挙の写実に学んだ芦雪の、ユーモアのある軽やかな表現には、もうひとつの貌を見いだせるだろう。横山大観や川合玉堂の、季節を感じさせる景色は、どこか懐かしい郷愁にホッとする。上村松園が描く美人には、ともに春を告げるホトトギスの声を聴く。“目で聴く”癒しも取り上げているのがステキだ。
動物好きには、まるっとした土牛のウサギ、ふわふわした羽毛の感触まで表した竹内栖鳳のミミズクやカモを。小出楢重や小茂田青樹が描く子どもの姿は、画家の我が子への愛も感じるだろう。伊東深水の《春》では、女性たちのひそひそ話に耳をかたむけよう。川﨑小虎が描く、草むらで眠る少女のみる夢に自身の故郷を重ねてもいいかもしれない。亡き人への追悼を込めた玉堂や土牛の作品は、創作することが自身の癒やしとなった浄化の美に、これからの勇気をもらう。
やわらかく、ここちよい空間で、ひとつひとつの作品と穏やかに対話する時間は、自身の内面と向き合うことにもなるはずだ。

第1章 江戸時代の「ゆるかわ」 若冲・芦雪 展示風景から
左から:伊藤若冲 《お福図》、《鶏図》、《蜻蛉と鶏図》 ともに18世紀(江戸時代)個人蔵
濃密な彩色絵とは異なり、若冲の水墨画は肩の力が抜ける楽しさがある
第1章 江戸時代の「ゆるかわ」 若冲・芦雪 展示風景から
左から:長沢芦雪 《獅子の子落とし図》 、《菊花子犬図》 ともに18世紀(江戸時代) 個人蔵
芦雪は、近年人気上昇中の「奇想の系譜」の絵師のひとり。抜群の画力に、秀逸なユーモアが光る。師・円山応挙のそれよりも、やんちゃな感じの子犬たちには悩殺される
第2章 癒やしの風景・心地よい音 展示風景から
左:上村松園 《杜鵑を聴く》 1948(昭和23)年
中:川合玉堂 《渓雨紅樹》 1946(昭和21)年
右:石井林響 《炭を焼く》 1923(大正12)年 いずれも山種美術館蔵
第3章 かわいい動物・親しい人との時間 展示風景から
左から:奥村土牛 《兎》 1947(昭和22)年頃、《山羊》 1951(昭和26)年、川﨑小虎 《仔鹿》 1943(昭和18)年 いずれも山種美術館蔵
第3章 かわいい動物・親しい人との時間 展示風景から
左:川﨑小虎 《ふるさとの夢》 1928(昭和3)年
右:奥村土牛 《兎》 1936(昭和11)年 ともに山種美術館蔵
第4章 心が解き放たれる絵画 展示風景から
左から:奥村土牛 《浄心》 1957(昭和32)年、《蓮》 1961(昭和36)年 ともに山種美術館

展覧会概要

【特別展】癒やしの日本美術 ―ほのぼの若冲・なごみの土牛―

会場:山種美術館
会期:2023年12月2日(土)~2024年2月4日(日)
時間:10:00-17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日
料金:一般1,400円、【冬の学割】大学生・高校生500円、
   中学生以下は無料
   障がい者手帳、被爆者健康手帳提示者と介助者(1名)は1,200円
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://www.yamatane-museum.jp/

「みちのく いとしい仏たち」 東京ステーションギャラリー

素朴に、自由に、真摯に刻まれた、北東北の祈り

SECTION1 ホトケとカミ/SECTION2 山と村のカミ 展示風景から

江戸時代、武家、公家とともに寺院も、幕府の定める「法度」によって「本山」と「末寺」の「五山十刹」に整備されると、各地の寺院は宗派ごとにまとまり、本堂やその荘厳もそれぞれに均一化され、高い技術を持つ工房で制作された。教義と伝統に基づく端正で立派な仏像・神像が末寺に至るまで祀られるようになる一方で、地方の小村や共同体では、地元の観音堂や十王堂などが集会所を兼ねた日々の拠り所であった。そこには仏師ではなく、地元の大工や木地師(きじし)らが彫った仏や神々の像が祀られ、祈りの対象とされた。「民間仏」と呼ばれる、これらの像は、粗末な素材に、拙いともいえる簡略な彫りで、きらびやかな装飾もない。さらには観音も十王も大黒天も恵比寿も、従来の形式を踏襲せず、自由でおおらかな容姿を持つ。
東京ステーションギャラリーでは、青森・岩手・秋田の北東北のこうした拠り所や民家の神棚に祀られてきた木像約130点を紹介する展覧会が開催されている。同館では初めての仏像・神像の展覧会ともなる内容は、華麗、荘重からはほど遠いながら、その素朴でユニークなたたずまいに、厳しい風土に懸命に生きるみちのくの人々のささやかで切実な想いや祈りが感じられ、楽しさや愛おしさへの笑いとともに切ないほどの哀しみをたたえて、みる者の心を打つ。それは、宗教の概念を超えて、自然という、おおいなるものへの畏怖と慈愛に根づいた民衆の小さくもたくましい力と、日本における信仰のかたちについて改めて考える機会となるだろう。等身大で寄り添う、もうひとつの「祈り」に耳を傾けてみたい。

SECTION1 ホトケとカミ 展示風景から
はじまりは、奇跡的な発見とされる、平安時代の木像の神像(仏像)から。朽ちて顔もない姿が却って神聖な雰囲気を持つ
SECTION2 山と村のカミ 展示風景から
左が本展の貌にもなった山神像。如来と男神が一体化した唯一の珍しい作例。微笑をたたえる四角く大きな頭部が印象的だ
左:SECTION1 ホトケとカミ 展示風景から
ボリューム感満載の2体の大きな鬼形像は、岩手のシンボルの巨像毘沙門天像の眷属。厳しいお顔ながら、きちんと正座しているのが楽しい
右:SECTION3 笑みをたたえる 展示風景から
手前の、やや顎が強調された童子立像は女性にもみえるが、聖徳太子像とされるそうだ
左:SECTION4 いのりのかたち 展示風景から
「六観音立像」 江戸時代 岩手県・宝積寺蔵
民間仏としては異例の県文化財にも指定される優品。六観音の図像とはほとんど一致しないながら、その自由で独創的な姿は印象的だ
右:SECTION5 ブイブイいわせる 展示風景から
「不動明王二童子立像」 江戸時代 青森県・洞圓寺蔵
憤怒の表情でもなく、なで肩のお不動さまは、傾いだ体が踊っているようにも見えて、なお楽しくなってくる
SECTION5 ブイブイいわせる/SECTION6 やさしくしかって 展示風景から
SECTION6 やさしくしかって 展示風景から
左:「十王像」 江戸時代 秋田県・三途川集落自治会像
右:「十王像ほか」 江戸時代 秋田県・龍像院蔵
お雛さまのようなかわいらしい十王さま。この表情で現世での罪を問われたら、ついすべて話してしまいそう
SECTION7 大工 右衛門四良(えもんしろう) 展示風景から
青森県十和田市の大工が本業の傍ら手がけたことが判っている、作者が同定できる稀な作品たち。素朴なつくりが魅力的
SECTION8 かわいくて かなしくて 展示風景から
左:「子安観音坐像」 江戸時代 青森県・慈眼寺蔵
尊さよりも、母子の愛が強く感じられる観音像。失った、あるいは育てることが叶わなかった子の供養をになう像は、そのやさしさゆえに切ないほど哀しくもみえる

展覧会概要

みちのく いとしい仏たち

会場:東京ステーションギャラリー
会期:2023年12月2日(土)~2024年2月12日(月)
時間:10:00-18:00(金曜は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(2/5、2/12は開館)
料金:一般1,400円、高校・大学生1,200円、中学生以下は無料
   障がい者手帳呈示者は100円引き(介添者は無料)
電話:03-3212-2485
公式サイト:https://www.ejrcf.or.jp/gllery/

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