上野動物園のパンダを毎日撮り続ける写真家、高氏貴博さんのブログ「毎日パンダ」。パンダ好きから絶大な支持を集めるこのブログから、なんと“出張”企画がスタート! 月曜から金曜の平日毎日、ブログからよりすぐりの写真を、高氏さんのコメントとともに掲載します。連載スタートを前に、高氏さんに尽きせぬパンダ愛を語っていただきました。
パンダを撮り続けて12年
高氏貴博さん。毎日上野動物園のパンダを撮り続けてはや12年。「ぱんだうじ」の愛称でパンダ好きには知らぬ者はいない写真家です。
高氏さんがパンダを撮り始めたのは2011年。通勤途中にふと立ち寄った上野動物園でシンシンのまるまるとしたお尻に魅了され、その日に年間パスポートを購入。以来なんとほぼ毎日上野動物園を訪れ、撮影したパンダの写真をブログ「毎日パンダ」にアップし続けています。
高氏さんがパンダを撮り始めた頃にはリーリー、シンシンの2頭だった上野のパンダですが、2017年にはシャンシャン が、2021年には双子のシャオシャオ、レイレイが産まれて総勢5頭となりました。
1日1万枚撮ることも
5頭のパンダたちは、シャンシャンはパンダ舎に、それ以外の4頭は2020年にオープンした「パンダのもり」に暮らしています。出勤前(本業はウェブデザイナー)に動物園に立ち寄って、それぞれの写真を撮るのが日課。毎日撮る写真は数千枚、一日中撮影すると1万枚を超えることもあるそう。
「たとえばシャンシャンは朝早い時間に外で遊んでいることが多い(2023年1月13日現在)ので、それを見るためには朝一番に園に入らなければいけません。そのためには開園時間より数時間早く並ぶことも。いろいろな姿の写真を撮りたいので、見る順番やスケジュールは工夫しています。写真の枚数に驚かれることがありますが、例えば目の開き具合のほんの少しの違いで全然違う写真になるので、たくさん撮りたくなりますね」
シャンシャンは生まれながらのアイドル
高氏さんにパンダたちの魅力について聞いてみました。
「シャンシャンは顔や仕草が本当に愛らしくて、生まれながらのアイドルのよう。また、新型コロナの影響もあって中国行きが何度も延期となり、誕生から5歳までずっと上野動物園にいてくれているので、自分の子どものように感じています。もうすぐ中国に行きますが、早く中国でパートナーを見つけてほしいとか、子どもを持たせてあげたいと思っています。親目線ですね(笑)」
性格がそれぞれ違う双子
「双子のシャオシャオとレイレイの個性も魅力です。シャオシャオは活発でやんちゃな性格で、お母さんのシンシンやレイレイに嫌がられながらも絡んでいったり、レイレイの寝場所を奪って自分のものにしたり。レイレイは優しい性格ですが、ときには反撃してシャオシャオと噛みつきあったりするのが面白いですね」
2023年はドラマが生まれる年
今年の上野のパンダの見どころを高氏さんに聞きました。
「2023年は上野パンダに大きなドラマが生まれそうです。シャンシャンは2月に中国行きが決定し、すでに熱いファンが別れを惜しんで長蛇の列をなすなど大きく盛り上がっています。また、シャオシャオとレイレイは今年、お母さんのシンシンと離れて“ひとりだち”をする可能性が高く、親子での姿はもうしばらくで見納めかもしれません」
最後に、毎日の撮影に飽きることはないのか聞いてみると……。
「パンダは家族のような存在です。動物園に行くのは家族に会いに行くということなので当たり前のこと。また、子どもが産まれたらその成長が見られるなど、日々さまざまなドラマが生まれるので決して単調ではありません」
本連載では、ブログ「毎日パンダ」から選りすぐりのショットを高氏さんのコメントとともにアップしていきます。愛らしいパンダの姿に、毎日癒されましょう!
※連載スタートは2月1日(水)を予定しています。
高氏貴博(たかうじ・たかひろ)
1978年群馬県生まれ。埼玉県在住。毎日上野動物園のパンダを撮影し、その写真をアップするブログ「毎日パンダ」が大きな反響を呼び、多くのメディアに出演するほか、著書・写真集を多数刊行。著書に『毎日パンダ 365 日上野動物園に通っているよ日記』(平凡社)、『こんにちは! ふたごのパンダ シャオシャオ&レイレイ』(宝島社)、『毎日シャンシャン2017-2021』(KADOKAWA)などがある。日本パンダ保護協会の会員でもある。
ブログ:mainichi-panda.jp 詳細はこちら
Instagram:@mainichipanda 詳細はこちら
Twitter:@mainichipanda 詳細はこちら