ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)来日ツアー開催!『雪の女王』を日本初演

カルチャー|2023.11.16
文=小野寺悦子(編集・ライター) 写真提供:光藍社

芸術の都・キーウから、この冬ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)が来日。日本初演作を含む注目のプログラムを引っさげ、伝統と歴史に磨き抜かれたステージを披露する。

芸術監督&主要ダンサーが語る日本ツアーへの想い

ニキータ・スハルコフ(プリンシパル)、寺田宜弘(ウクライナ国立歌劇場バレエ芸術監督)、アナスタシア・シェフチェンコ(プリンシパル)、カテリーナ・ミクルーハ(ソリスト)

 芸術の都・キーウを本拠地に、150年以上の歴史を持つウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)。昨年12月には寺田宜弘が日本人として初めて同団のバレエ芸術監督に就任し、日本でも大きな話題を呼んだ。ロシア侵攻により厳しい状況が続くなか、今年はバレエ団約50名、指揮者&オーケストラ約60名、スタッフ約20名を含む総勢約130名が一挙来日。公演に先駆け、寺田監督および主要ダンサーが記者会見を行い、日本ツアーへの想いを語った。

寺田宜弘

 「155年もの歴史あるバレエ団の芸術監督を務めるというのは、とても重いことだと受け止めています。芸術監督として、団員たちの命を預からなければいけません。今バレエ団に残ってくれている彼らは、非常に愛国心が強く、自分の国を大事にし、自分の国の芸術を今まで以上に素晴らしいものにしていきたい、という気持ちを持っている。そんな団員たちと一緒に仕事ができるのは、芸術監督として本当に幸せなことだと感じています。私が今大事にしているのは、ウクライナの芸術を今まで以上に世界の人に知っていただく、愛していただくということ。それが私の大きな役目だと考えています」(寺田宜弘)

ニキータ・スハルコフ

 「日本で演じる3つの演目『雪の女王』『ドン・キホーテ』『ジゼル』にはそれぞれ特徴があって、それぞれキャラクターも違います。そこに私自身の想いも反映されますし、この3作品を踊るというのはアーティストとして非常に貴重な経験だと思っています」(ニキータ・スハルコフ)

アナスタシア・シェフチェンコ

 「『雪の女王』の女王を踊ります。非常に華やかでカラフルな作品で、ウクライナで上演した時は全ての公演が満員でした。ウクライナだけではなく、ギリシャのアテネでも15回ほど公演を行い、とても好評でした。どの年齢の人でも楽しめる作品で、日本のみなさんにも楽しんでいただけたらと思っています」(アナスタシア・シェフチェンコ)

カテリーナ・ミクルーハ

 「『ドン・キホーテ』と『ジゼル』に主演します。主演を演じるのはとても責任あることです。その責任感に負けないように、私自身も十分楽しみたいと考えています。私たちの踊るエネルギーや私たちの感情、気持ちがお客さまに伝わったらと思っています」(カテリーナ・ミクルーハ)

日本初演作を含む3作品を披露

『雪の女王』

『雪の女王』
 2016年に制作されたウクライナ国立バレエのオリジナル作品で、今回日本初演を迎える。アンデルセンの童話を基にした子供から大人まで楽しめるファンタジックな作品で、初演以来キーウでは冬の風物詩として繰り返し上演されている。

『ジゼル』

『ジゼル』
 19世紀を代表する幻想的なバレエ作品で、ロマンティックバレエの最高峰。日本から寄せられた義援金を使用して新制作を行い、今回日本で初演する。

『ドン・キホーテ』

『ドン・キホーテ』
 スペインを舞台に、町娘キトリと床屋のバジルが繰り広げる陽気な恋の物語。昨年の来日公演でも上演され、その活気溢れるステージで大きな好評を博した。

[公演日程]

2023年12月23日〜2024年1月14日
会場:東京国際フォーラム、東京文化会館、ロームシアター京都、フェスティバルホールほか

光藍社HP

光藍社チケットセンター  TEL 050-3776-6184 (12:00~16:00 土日祝・年末年始休)

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